合気観照塾東雲道場

カテゴリ:試斬( 1 )




試斬稽古もする理由

スリランカ出身の僧侶。
スリランカ上座仏教長老であり、スリランカ上座仏教シャム派の日本大サンガ主任長老、日本テーラワーダ仏教協会長老、スリランカ・キリタラマヤ精舎住職である
  アルボムッレ・スマナサーラ氏
は著書で
  
・人はどのような物を食べても、体が生命の維持のために体内に取り込む栄養素は大体同じである

・このように脳も同じで、知識も必要な物を取り込むようにしなければならない

というくだりを読んだ覚えがあります。

試斬で、藁を截ることが気持ちが良い、格好がいい、人より上手い等と思って快感を得る人は残念な人です。

試斬というのは、準備に結構な手間と時間がかかります。

せっかく時間、労力、費用をかけて試斬を行っても、そのようなことしか思えない人は非常に残念な人です。

例えるなら、ステーキを食べてもたんぱく質が吸収されず、お米を食べても炭水化物を吸収しない胃腸をお持ちの人です。

東雲道場で行う試斬のモットーは、
 抜刀すれば
   何も無い世界
 に入る
です。

中村天風氏の言葉を借りて言えば、
 absolute stillment
(アブソリュート・スティルメント)
  絶対的静寂
が近い概念かも知れません。

東雲道場では、試斬を初めて行う人には
  残心
を重ねて指導させて頂きます。

この残心の意味は、
  倒れた相手に対して心を残す
という意味で、最後まで気を抜かないことに配意するのです。

しかし東雲道場での残心の意味合いはもうひとつあります。

それは、
   何も無い世界
から自分を連れて帰るメソッドです。

残心により平常に自分を戻して、納刀するのです。

何も無い世界には
記憶、意志、意識、概念、思想、時間、感情・・・
がありません。

正確に言えば感覚として感じられないのか、記憶していないのかは分かりませんが。

しかし
   何も残っていない
感覚を感じるのは抜刀して残心までの刹那です。

抜刀した後の記憶が無い。
どうやって截ったか分からない。

この感覚こそが、試斬で一番大切にする感覚なのです。

試斬に慣れている人は、
  そんな感覚ないよ
  しっかり稽古の成果を踏まえて截っている
というかも知れません。

ただそれは、残念です。

そういうパフォーマンスは、試斬で伸ばす必要はありません。

そんなこと言っても、
  何も無い世界になんか入れない
と言う人がいるかも知れません。

そういう人は、はじめからやり直して下さい。

東雲道場では、合気観照塾宗匠の考案された
  形稽古をおぼえないカリキュラム
で剣術、合気柔術の稽古を行い基礎を積み上げております。

基礎稽古において、脳や体への入力の仕方を違うと、
  何も無い世界
は発動しません。

やり直せばいいんです。

私は今でも宗匠の脇差を持った時の
ことを覚えています。

体と魂が小刻みに震えた

という感覚でした。

その感覚の意味を知りたくて自分でも刀を買い、縁あって抜刀試斬を経験することになりました。

またその試斬の先生のセンスが良かったのです。
截れないことをとやかく言わない先生です。
今のはこうだな、ああだなと指導してくれる。
截らなきゃ駄目だとは絶対に言われたことが無いのです。

抜刀の後は記憶が無く、意志が無かったのに、確かに截っているのです。

截ったのも自分に他なりません。

では截った自分とは、何なのか。

それは日常の記憶や意志で認識出来ていない自分です。

認識出来ていなくても、本当は自分自身でも知っています。

私の魂を震えさせた正体はそれかも知れません。

自分の内側にある自分を外側へ出して、自己認識させてくれる媒体になるものが
  刀
ではないかと思います。

 もし真剣を持って
   怖い、恐ろしい
と感じるのは、刀その物ではなく、刀を媒体として外界へ姿を現そうとする自分自身です。

 刀を手に持って思うのは、
  自分や他人を傷つけるかもしれない
でしょう。

でも刀には意志はありません。

人間が動かさなければ、永久に動かないのです。

手に持った時に感じているのは、
 自分がこの刀で物や人を傷つけるかもしれない
 事故や過失ではなく、傷つける衝動になるかもしれない
ということではないでしょうか。

 だから刀を通じて現れる自分自身を乗りこなす修練を積む必要があるのです。

 私自身はまだまだですが、刀を扱うことで、
  絶対に他人や物を傷つけない自分
  抜刀すれば如何様にも目的に沿って截れる自分
が現れた時こそ自分自身に恐怖することなく、自己確立、安心立命が出来ると思います。

 そうして日常で認識出来ない自分を発動させることによって、
   使わずに使う
境地に辿りつけるのでないかと考えています。



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by shinonomeaiki | 2018-04-16 06:55 | 試斬 | Comments(0)

東雲道場は、合気修得を志す人の稽古場であり、このブログは、その人達のために稽古内容を記録化する目的で開設しました。
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